「国民の誇り」か「嘲笑の的」か、英国の伝統料理20選
(CNN) 英国料理が長い間冷やかしの対象になっているとすれば、それは調理法が悪いからではなく、誤解されているためだ。
例えば、われわれはソーセージをトード(ヒキガエル)と呼ぶし、(羊などの)内臓をグレイビーソースで覆い、ペストリーで包んだ料理を「プディング」と呼ぶ。また冗談ではなく、ウナギも食べる。
事情を知らない人は、どれも理解に苦しむだろう。しかし、それは英国料理が非常に特別な料理である理由の1つにすぎない。
そこで今回は、英国の伝統料理20品をご紹介する。
フル・イングリッシュ
/Suzanne Plunkett/CNN
英国の正式なフライパン料理を盛り付けるには、普通の皿では小さすぎる。
定番の卵とベーコンに加え、キドニー(羊などの腎臓)、フライドブレッド(油で揚げた薄切りパン)、豚の血を固めて作ったソーセージ(下のブラック・プディングを参照)、余ったじゃがいもと野菜を混ぜ合わせた炒め物をすべて盛り付けられるだけの大きな皿が必要だ。最後の炒め物はなぜか「バブル・アンド・スクイーク」という名で呼ばれている。
ヨークシャー・プディング
/Suzanne Plunkett/CNN
ヨークシャー・プディングは、デザートのプディングとは全くの別物だ。英国料理の95%がそうであるように、このプディングも卵、小麦粉、牛乳、油脂のみで作られている。
ブラック・プディング
/Suzanne Plunkett/CNN
名前はプディングだが、決してデザートではない。これは固めた豚の血にオーツ麦を混ぜ合わせたソーセージだ。
ブラック・プディングをおいしく食べるコツは、目を閉じて、何も考えず、息を止めて食べることだ。
トード・イン・ザ・ホール
/Suzanne Plunkett/CNN
作り方はヨークシャー・プディングと全く同じだが、こちらはソーセージが入っているため、味は3.7倍おいしい。
スポッテッド・ディック
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砂糖、小麦粉、干しブドウに、羊の腰肉や腎臓の周りの生の脂肪を細かく刻んだものを混ぜて作ったデザートで、1970~80年代に英国の学校で出されていた。カスタードソースをたっぷりかけて食べるのが伝統的な食べ方だ。
ウナギのゼリー寄せ
/Suzanne Plunkett/CNN
まず、今まで見た中で最も大きなナメクジを思い浮かべる。続いて、それを食べるところを想像してほしい。
パイ・アンド・マッシュ
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タイプの違う生地で得体の知れない肉を挟んだパイ。横に添えられたマッシュポテトは、さながらパイに襲い掛かる津波のようだ。
シェパーズ・パイ
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名前にパイと付いているが、パイではない。たっぷりの肉とグレイビーソースの上に分厚いマッシュポテトをのせて焼いた料理だ。
フィッシュ・フィンガーズ、チップス、ビーンズ
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これは、細長く切った白身魚のフライ、オーブンで調理したフライドポテト、トマトソースで煮た豆の缶詰のことで、英国の一般の子どもは、16歳までにこの料理を4160回食べることになる。
スコッチ・エッグ
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卵をソーセージで包んだ料理
ソーセージ・ロール
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ソーセージを卵(や他のさまざまな食材で作ったペストリー)で包んだ料理
トライフル
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プディングの上に別のプディングを重ね、その上にさらに別のプディングを重ね、全体にホイップクリームをかけたデザート
イートン・メス
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英国貴族が病みつきになるほどおいしいデザートで、メレンゲ、クリーム、フルーツを混ぜて作る。
ステーキ・アンド・キドニー・プディング
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巨大なペストリーの中に、ぶつ切りのステーキと羊の内臓のシチューを詰めて焼き上げた料理。
ライス・プディング
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ライス・プディングは英国唯一の米料理で、米をミルクと砂糖で煮込んで作る。
ジャム・ローリー・ポーリー
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細かく刻んだ脂の入った生地で作ったロールケーキで、中にはジャムがたっぷり入っている。
フィッシュ・アンド・チップス
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ある古い新聞によると、英国民はフィッシュ・アンド・チップスを食べる権利を守るために帝国を築き、多くの国々を征服したのだという。
少なくとも、筆者は英国の植民地政策の目的はそこにあったと考えているが、いずれにせよ、もし衣を付けて揚げた魚のフライが脅威にさらされれば、われわれは再び世界を相手に戦争を始めるだろう。
スコーン
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おそらく、いつの日か歴史が明らかにすることだろう。イングランド内戦(1642~51年)が始まったのは、2人の愚か者がスコーンにジャムとクリームのどちらを先に塗るかで対立したのがきっかけだったということを。
今なお英国を二分するこの問題に比べれば、ブレグジット(英国のEU離脱)をめぐる論争など大した話ではないように思える。
クリスマス・プディング
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クリスマス・プディングに飽きた人は、人生にも飽きていると言ったのは、18世紀に「文壇の大御所」と呼ばれたジョンソン博士ことサミュエル・ジョンソンだったか。しかし、博士は痛風にひどく苦しんだ。
紅茶
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われわれは中国とインドから盗んだ茶葉を船で英国に持ち帰り、それを乾燥させて粉々にし、沸騰した湯の中に入れ、完成した物にミルクと砂糖を混ぜた。
今やわれわれ英国民は、どんな危機も紅茶さえいれれば解決できると思い込んでいる。