香港取引所、ロンドン証取に買収提案 4兆円規模
ロンドン(CNN Business) 香港取引所(HKEX)は11日、ロンドン証券取引所に対し買収を提案したことを明らかにした。296億ポンド(約3兆9400億円)で全株式を取得する計画で、負債も含めた買収総額は316億ポンドに上る。
買収が実現すれば、上場企業の時価総額でニューヨーク証券取引所とナスダックに次ぐ世界3位の証券取引所グループが誕生する。
調査会社ディールロジックによると、外国企業による英上場企業の買収としては、武田薬品工業が2018年にアイルランド製薬大手シャイアーを買収して以来の規模になるという。
HKEXの李小加・最高経営責任者(CEO)は記者会見で、買収計画について「今後数十年のグローバル資本市場のあり方を再定義するもの」だと述べた。中国本土とアジア、世界を結ぶ香港の地位も強化されることになる。
ただ、実現にはハードルも多い。英国では欧州連合(EU)離脱をめぐる先行き不透明感が世界金融の中心としてのロンドンの役割に影を落としている状況だ。一方、香港では中国政府の締め付け強化への懸念から民主化を求めるデモが続いている。
HKEXのウェブサイトによると、13人の経営陣のうちCEOを含む7人は香港政府が指名する。また、会長の指名には林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の承認が必要となる。