問題発言連発のカニエ・ウェスト、アディダスなど各社が相次ぎ契約解消
ニューヨーク(CNN Business) ファッションブランドやSNSなどの大手企業がここ数週間で相次いで、米ラップ歌手のイェ(別名カニエ・ウェスト)氏との契約を打ち切っている。
ウェスト氏は10月初め、パリで開いたファッションショーに「White Lives Matter(白人の命は大切)」の文字が入ったTシャツ姿で現れ、数人の黒人モデルにも同じ文字入りの装いをさせていた。問題のスローガンは、白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)との関係が指摘されている。
さらに、今月放送したポッドキャストの番組では「オレが反ユダヤ的なことを言っても、アディダスはオレを落とせない。どうだ?」と言い放つなど、問題発言を連発。警官に押さえつけられて死亡した黒人男性ジョージ・フロイド氏については、警官の暴行ではなくフェンタニル乱用によって死亡したと主張した。さらに、反ユダヤ的陰謀論を繰り返し、その後のインタビューでもその主張を強調した。
ツイッターには「ユダヤ人にデスコン3を」と書き込んでいた。
一連の反ユダヤ的発言を受け、ウェスト氏と契約していた企業には、行動を起こすよう圧力がかかった。
スポーツ用品メーカーの独アディダスは24日、ウェスト氏との契約を即日打ち切ると表明。「反ユダヤ主義などの憎悪発言は一切容認しない」と強調し、ウェスト氏の一連の発言については「容認できず、憎悪に満ちており危険」だと批判した。
同社が「Yeezy」のブランドで展開していた商品の販売や製造は中止し、ウェスト氏と同氏の会社への支払いも中止する。これにより、10~12月期の売り上げは2億4600万ドル(約365億円)の打撃を受けるとしている。