(CNN) 米司法省は連邦裁判所判事に対し、トランプ前大統領のホワイトハウスでの顧問だった上位2人の弁護士にトランプ氏との会話に関する証言を行わせるよう要求している。同氏が持つ大統領特権を打ち破り、昨年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件での行動を精査する試み。
事件の調査に詳しい3人の人物が明らかにした。
追加の証言を強制する動きは、当時ホワイトハウスの顧問を務めていたパット・シポローネ氏とその元側近パトリック・フィルビン氏を対象としたもの。先週からのこの試みは、非公開とされる一連の裁判手続きの一環として行っている。
トランプ氏は、元顧問らを刑事大陪審の前で証言させることに抵抗し続けている。大統領特権及び弁護士・依頼者間の秘匿特権に言及し、情報を極秘のままにしたり、犯罪捜査を遅らせたりしようとしている。
ただ司法省は過去3週間でペンス前副大統領のトップ顧問2人から証言を引き出すことに成功。重要な司法上の勝利であり、犯罪捜査の手がトランプ氏の側近にまで伸びる公算が一段と大きくなっていた。
シポローネ氏とフィルビン氏、ペンス氏の顧問2人はこの数カ月、非公開の犯罪捜査で証言した際、トランプ氏への助言や同氏とのやり取りについて一部の質問に答えるのを控えていた。
現在司法省が証言を強制しようとしている人物らの弁護士は、この件に関するコメントを控えるか、コメント要請に対する返答をしていない。本人らにコメントを求めたが返答はない。司法省の報道官もコメントを控えた。
複数の情報筋によると前述の4人はいずれも法の求める限りにおいて協力するのに前向きで、トランプ氏のチームは調査の特定の細部を巡る争いに対処しなくてはならない状況にあるという。
シポローネ氏とフィルビン氏の証言に関する訴訟は、調査の担当者らにとって長期的に重要になる可能性がある。両氏は議事堂襲撃に至るまでと事件の間、トランプ氏に近い位置にいたからだ。検察の狙いは、大陪審が両氏とトランプ氏との直接の会話を審理することにある公算が大きい。