北朝鮮に越境の米兵、米政権が戦争捕虜指定を検討
(CNN) 先月北朝鮮に越境した米陸軍のトラビス・キング2等兵について、バイデン政権が戦争捕虜に指定するかどうか協議していることが分かった。複数の国防当局者がCNNに明らかにした。
最終決定は下されておらず、現時点でキング2等兵の地位は「無許可離隊者」のままだという。
朝鮮戦争は和平条約が締結されずに休戦したため、厳密には米国と北朝鮮は今も戦争状態にあり、キング2等兵に戦争捕虜の資格が認められる可能性はある。
戦争捕虜の地位が認められれば、調印国に捕虜の待遇に関する厳格な指針を提供するジュネーブ条約に基づき、一段と強力な保護が与えられる可能性がある。米国と北朝鮮はどちらも条約調印国。
ただ、当局者らは、キング2等兵が自らの意思で越境して北朝鮮に拘束された点を繰り返し強調。民間人の服装で非武装地帯を私的に旅行していた際に拘束されたのであって、米軍と北朝鮮軍の戦闘中に捕らえられた訳ではないと指摘した。
サウスウェスタン大学ロースクールの軍事法専門家、レイチェル・バンランディンガム氏は戦争捕虜の地位の適用について、キング2等兵が確実に人道的な待遇を受けられるようにする米国の方策だとの見方を示した。
ただ、北朝鮮が戦争捕虜の地位を認めたり、捕虜の地位に伴う保護をキング2等兵に与えたりするかは不明だとも指摘した。