「遺灰」でダイヤモンド、埋葬に代わる選択肢にも 香港
土地が狭く不動産価格が高い香港では、墓地もいっぱいで埋葬は高くつく。香港政府が許可する遺体の埋葬期間は最大で6年。その期間が過ぎると墓を掘り起こして火葬しなければならない。
ファン氏が08年にアルゴダンザの香港法人を設立して以来、売り上げは2倍になった。ただ、中国では伝統的に死にまつわるビジネスがタブー視され、開業当初は父親にも反対されたという。しかし、毎年亡くなった親族の墓参りをするといった伝統が今後の世代にも受け継がれるかどうかは疑問だと話すと、父親も納得してくれたという。
その父親は数週間前に、肝臓がんの合併症で亡くなった。ファン氏は遺灰でダイヤモンドを作り、世界各地に住む4人の子どもで分けることにしている。
ウーさんの場合も、息子の遺灰からダイヤモンドを作るという考えを家族に受け入れてもらうまでには時間がかかったが、「それで心が安らぐのなら、そうしなさいと言ってもらえた」という。
愛する人の遺灰を追悼ダイヤモンドにすることは、誰もが望む方法とは言えないとはウーさんも認識している。それでも亡くなった人への愛情と同じように、ダイヤモンドはほぼ永遠だからと言い添えた。