イベリア航空が職員22%削減か、スペイン債務危機など受け
ロンドン(CNNMoney) スペイン大手イベリア航空が全従業員の22%に当たる4500人を削減し、就航路線の15%から撤退する経営再建案を検討していることが11日までにわかった。
同航空を傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)によると、保有する機材のうち25機も処分する。
イベリア航空は歴史的な理由などから長距離の南米路線に強いが、短中距離路線では格安航空にシェアを奪われ始めている。また、スペインや欧州を襲う深刻な政府債務(借金)危機で業績が傾いていた。
同航空は最近、収益改善を図るためバルセロナに本拠がある格安航空に対し完全な統合を狙って過半数の株式買収を提案した。
イベリア航空のラファエル・サンチェス・ロザーノ最高経営責任者(CEO)は、全ての就航路線が赤字になっていると指摘。労組が2013年1月までに合理化案に同意しない場合、業務規模や雇用面でより厳しい切り詰め策を出すと警告した。経営再建案についてIAGのウィリー・ウォルシュCEOは、イベリアは生き残りをかけた戦いの中にあるとの認識を示した。
IAGは今年9月末までの9カ月間で1700万ユーロ(約17億1700万円)の営業利益を計上。ただ、イベリア航空の赤字は2億6200万ユーロに膨れあがり、同じく傘下にある欧州大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の利益2億8600万ユーロをほぼ相殺したという。