携帯メール送信数が初の減少、スマホ普及で 米国
ニューヨーク(CNNMoney) 米国でスマートフォン(多機能携帯電話)の利用者が増える中、7~9月期にユーザー1人が送信した携帯メールの月間平均本数が、前期比で初の減少に転じた。独立系の通信業界アナリスト、チェタン・シャーマ氏が13日に発表した報告書で明らかにした。
それによると、7~9月期に送信された携帯メールの月間平均本数は約675通となり、4~6月期の700本から減少した。携帯電話会社のメール通信料収入も、同時期に初の減少に転じた。
シャーマ氏によると、米国では携帯電話の半数強をスマートフォンが占めるようになり、メールを「無料」で送受信できるアプリケーションも出回っている。「スカイプ」や「グーグル・ボイス」「フェイスブック・メッセンジャー」などを使えば、データ通信プランの範囲内でメールが利用でき、携帯電話会社にメール通信料を払わずに済む。
携帯電話料金の中で、メール通信料は取るに足らない料金にも思えるが、実際にはデータ通信料としては極めて高額な設定になっている。テキストメールのサイズは最大でも160バイト足らず。米国で一般的なメール1通当たり20セントという料金は、メガバイト当たりに換算すると1250ドルという法外な値段になる。
これは携帯電話会社にとって実入りのいい料金設定で、会計事務所大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によれば、昨年の携帯電話会社のデータ通信料収入のうち、19%をメール通信料収入が占めていた。しかし携帯各社はメール送信量の減少に伴う打撃を防ぐために戦略を切り替え、料金プランを変更する動きに出ている。