中国でアップル製品生産の台湾企業に汚職疑惑、当局が捜査
香港(CNNMoney) 中国でアップル社の製品などを生産する台湾の電子機器受託生産大手、富士康科技集団(フォックスコン)は10日、中国捜査当局が同社で発覚した管理職を巻き込んだ汚職疑惑を調べていることを明らかにした。
台湾の雑誌が同社が契約する部品供給企業から管理職が賄賂を贈られているとの疑惑を報じた後、捜査開始の事実を公表した。収賄に関与した管理職らの人数などの詳細には触れなかった。
同社は声明で、疑いを持たれているのは多数の従業員とし、自発的に中国の治安当局に捜査開始を依頼したことをにじませた。また、社内部の調査チームが中国の治安当局と協力して調べているとも述べた。この種の不祥事の再発を防ぐための対策の見直しも進めているとも語った。
フォックスコンはアップルへの部品供給のほか、世界の消費者向け電子機器製品の推定4割の生産を請け負っている。インテルやマイクロソフト、シスコとも取引がある。
ただ、中国内にある自社工場では長時間労働や過酷な労働環境が再三批判され、今回の汚職疑惑が事実なら会社の評価へのさらなる打撃となる。
中国南部の深セン(センは土へんに川)にある同社工場では昨年9月、一部の従業員間のいざこざが数千人規模を巻き込む争議に発展し、工場を閉鎖する措置に追い込まれた。この騒ぎでは約40人が病院へ搬送され、多数が逮捕されていた。
フォックスコンは今年に入り、生産設備の向上や組織改革を図るため中国の公正労働団体と協議していることを明らかにしていた。