運航停止の787、問題解決と再開のメドは?
787の場合、運航開始からの15カ月間で墜落事故は起きていない。それでもトラブルの報告が相次いだことから、FAAも危険を冒すわけにはいかなかったと解説するのは、航空整備士の経験をもつ米国家運輸安全委員会(NTSB)元委員、ジョン・ゴグリア氏。「(FAAは)相当の慎重を期し、先を見越した対応に出ている。(DC―10のような)事態を繰り返すわけにはいかない」と話す。
同氏によれば、運航再開は2週間、あるいは2カ月先になる可能性もある。解決のためには「どこに問題があるかを突き止め、修理方法を設計し、修理用の部品を製造する」必要があり、「簡単にはいかない」という。
米シアトルのボーイング本社で開発段階から787型機を見てきたデイトン大学のラウル・オルドネス教授は、「システムは非常に複雑だ。予想もしなかった問題があるかもしれない。同機の複雑さは商用航空機史上、最大級だ」と指摘する。
コートライト教授も、「単純な電気室の問題にとどまらない深刻な状況ではないかと危惧する」と話している。