「NYタイムズ紙は売却しない」、会長が言明
ロンドン(CNNMoney) 米有力紙を発行するニューヨーク・タイムズ社のアーサー・サルツバーガー会長が、ニューヨーク・タイムズ紙は売却しないと宣言した。ワシントン・ポスト紙がネット通販大手アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏に買収されるなど、有力紙の身売りが相次いだことを受けた発言。
ニューヨーク・タイムズ社は3日、傘下のボストン・グローブ紙を、米大リーグ、レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏に7000万ドル(約67億円)で売却すると発表。ベゾス氏は5日にワシントン・ポスト紙を2億5000万ドル(約241億円)で買収している。
サルツバーガー会長はマイケル・ゴールデン副社長と共に、ワシントン・ポスト社のドナルド・グラハム最高経営責任者(CEO)から売却を決めた経緯について話を聞いたという。しかし同じ道をたどることに興味はないと言明した。
同会長は従業員宛てのメールで、「タイムズは売却しない。サルツバーガー一族は結束して、役員や経営陣、従業員と共にニューヨーク・タイムズをグローバルなデジタルの未来へと前進させる」と力説した。
コンピューターやスマートフォンでニュースを見る読者が増える中、米国の新聞は発行部数や広告収入の減少に見舞われ、リストラも相次いでいる。
しかしニューヨーク・タイムズ紙は有料のデジタル版が好調で黒字を継続しており、キャッシュフローも堅調だとサルツバーガー会長は強調している。