日本政府、5.5兆円経済対策を閣議決定
ロンドン(CNNMoney) 日本政府は5日の臨時閣議で、2014年4月の消費増税の影響を緩和するための景気刺激策を承認した。約5.5兆円の資金は、11年3月に発生した東日本大震災の被災地の復興促進に使われる。
安倍晋三首相は、この経済対策が実質国内総生産(GDP)を1%程度押し上げ、25万人の雇用を生み出すことを期待している。
安倍首相が、日本が長期の低迷とデフレから脱却するための意欲的な経済政策(アベノミクス)に着手して以来、世界第3位の経済大国である日本への期待は大幅に高まっており、実際、アベノミクスの柱である財政出動と日銀の金融緩和の成果はすでに出始めている。
成長は、第3四半期にやや減速したものの、今年前半は大幅に加速した。株価は過去1年間に60%上昇。円も対米ドルで20%下落し、日本の一部大手輸出企業の業績を押し上げた。この早期のアベノミクス効果で税収が増え、今回の新たな景気対策も追加国債発行なしでの実施が可能になった。
安倍首相はこの勢いに乗り、15年度までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字を半減させ、20年度までの黒字化を目指しているが、アベノミクスが完全に成功だと位置づけるのは時期尚早だ。労働者の賃金はさほど上がっておらず、公約した構造改革も実施が難しい状況だ。
安倍政権は、労働規制緩和、移民受け入れの促進、原発再稼働、女性の活躍推進など、数々の策を打ち出しているが、進展はなきに等しい。