太陽光ランプで無電化村を救え
ウォルシュ氏は「慈善事業で配布するのではなく、消費者がお金を払って私たちの製品を買うのだから、その製品には真の付加価値がついてこなければならないし、市場の厳しい要求を満たす必要もある」と自社のビジネスモデルを説明する。
社会的使命を帯びたエネルギー会社、という着想を同氏が最初に得たのは05年、インドで国境なき技師団の一員として働いていた時だった。灯油ランプの危険性を直接に目の当たりにしたのも、この時のことだ。
数年後、米イリノイ大学に戻った同氏は、同級生とチームを組んで60万ドル(約6000万円)のベンチャー資金を調達、グリーンライト・プラネット社を立ち上げる。09年には太陽光ランプを1万個売るまでに成長。その後も順調に業績を拡大させた。
もっとも、同社が革命的だったのは製品だけではない。現地の人を販売員として活用するというユニークな流通モデルを作り上げ、成功させたのも画期的だった。多数の商品を扱う小売店を通すのではなく、ランプを真に必要とする家庭に主体的に売り込んでいこう、という判断だった。
手数料の一部が現地販売員の手に渡り、貴重な副収入源となることもあって、販売網は拡大の一途をたどった。