世界の先端オフィス、心地よさで能率アップ
ペンソン氏が設計したグーグルのロンドン本社も、従来の社屋にありがちな画一性を排し、従業員の創造性を引き出せるよう、多様な工夫が施されている。内装も頻繁に変わる。奇抜な会議室だけでなく、田舎風のカフェがあり、小奇麗な図書館がある。屋上の庭には、秘密の会議室まである。
グーグルが自由と創造性の重視によって従来型オフィスから脱却を図る一方、米インターネット通販大手アマゾンでは「オフィスの緑化」に注力している。昨年12月に建築許可が下りたシアトルの新本社は、3つのガラスの球体で構成される予定。空中庭園や花壇を配し、内部ではフロアから屋上まで大樹が茂るといった趣向だ。
アマゾンが社屋の自然回帰を図るのは、環境重視を宣伝するマーケティング戦略の域にとどまらない。植物が従業員のやる気を向上させ、仕事のストレスを軽減させるという理解が浸透し始めているのだという。
職場環境を専門に扱う「ワーク・スケイプ」誌は、窓も見えない仕切りの中で座って仕事をするような時代は終わったと指摘。自然界の要素を職場に組み込むのは、デザイン関係など創造性を重視する企業で特に顕著だという。