スイス、時給2500円の最低賃金導入を否決 国民投票で
ロンドン(CNNMoney) スイスで18日、時給22スイスフラン(約2500円)の法定最低賃金導入の是非を問う国民投票が実施された。選管の暫定結果発表によると、賛成24%、反対76%で否決された。
最低賃金制度の導入は、労働組合が数カ月前から主張していた。これに対して政府や経済界は、雇用の縮小や未熟練者、若者の就職難につながる恐れがあるとして反対を訴えてきた。
スイスは世界平均以上の経済成長率や就業率を維持し、労働時間も比較的短いなど恵まれた労働環境で知られるが、全国一律の最低賃金は定められていない。
労組側は、小売店やホテル、飲食店の若い従業員らを中心に、最低限の生活も維持できない労働者が約33万人に上ると指摘。最低賃金制度は労働者の約10%に平均15%の賃上げをもたらし、推定16億スイスフランの必要経費も調達可能との試算を示した。住民投票で可決されれば、世界で最も高い最低賃金になるとして注目を集めていた。
22スイスフランは生活費の違いを考慮した場合、米国では時給約17.6ドル(約1800円)に相当する。ドイツでは来年初めて、時給8.5ユーロ、米国に換算して約15ドルの最低賃金が導入されることになっている。