ロシアの経済成長率が大幅低下、ウクライナ危機の影響露わ
ロンドン(CNNMoney) ロシア政府は17日までに、今年第1四半期(1~3月期)の国内総生産(GDP)の成長率が年率換算で0.9%だったと報告した。昨年の第4四半期の2%増から大幅に後退した。
ウクライナ危機でロシアの将来の経済活動や投資環境への懸念が広がったのが原因。ロシアでは同危機を受け数十億ドル単位の外資引き揚げが生じ、通貨ルーブル安やインフレ率上昇にもつながっている。
これを受けロシア中央銀行は政策金利を2倍の水準に引き上げる対策を講じている。
欧米諸国はウクライナ危機で一部のロシア高官や企業に対し経済制裁を発動。ロシアが今月25日に予定されるウクライナ大統領選に介入した場合、さらなる制裁も警告している。ロシアのGDP成長率の鈍化には制裁の影響もあるとみられる。
国際通貨基金(IMF)は最近、ウクライナ情勢を背景に今年のロシア経済の成長率予測を0.2%に下方修正した。不安定な地政学的な状況により、投資活動はさらに萎縮するだろうとも予想していた。
ロシアの代表的な株価指数Micexは今年に入り7%低下し、3月中旬には21%減ともなっていた。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズは4月下旬、ロシアからの外資回収の動きが強まっていることを受け、同国への投資格付けをジャンク(投機的)等級の一歩手前に引き下げていた。