ハワイ近くで旅客機があわや空中衝突、緊急回避
ワシントン(CNN) 米運輸安全委員会(NTSB)は17日までに、ハワイ州に近い空域で先月25日、米航空会社2社の旅客機が空中衝突しかねない異常接近に遭遇していたことを明らかにした。
2機とも管制当局が指示した高度を飛行していた。異常接近の原因を解明しているが、調査状況に詳しい筋は、高度指定の経緯が初期段階の調査の焦点になっていると述べた。
ニアミス発生は両機のうち1機の乗客がブログで「2週間前、最悪の航空機衝突であわや死にそうになった」と暴露したことから、注目を集めていた。ただ、米連邦航空局(FAA)は調査は異常事態発生直後から開始されたとし、ブログ上の情報とは無関係とした。
NTSBなどによると、異常接近を起こしたのは大手ユナイテッド航空の1205便とUSエアウェイズの旅客機。1205便はハワイ島のコナ国際空港発、ロサンゼルス行きで、USエアウェイズ便は西の方向へ飛行中だった。
1205便はコナから北東へ約322キロ離れた空域でUSエアウェイズ便の接近を避けるため緊急降下した。ユナイテッド航空機の操縦士は衝突警報装置の作動により音声の警告を受けていた。各航空便の飛行情報を知らせるウェブサイトによると、ユナイテッド航空便は60秒間に約183メートル降下していた。
両機は米ボーイング社製の757型機だった。両社当局者は先週の時点で、乗客数を明らかにしていなかった。
ブログでニアミス発生を知らせたユナイテッド機の男性乗客は急降下で無重量の感覚に襲われ、周辺の乗客は叫び声を上げたと証言。コーヒーポットが床に落ち、通路を転がったとも述べた。同機には乗客乗員295人がいたとも明かした。