世界経済に必要なのは女性 職場進出が成長の鍵
この報告書によれば、女性の職場進出が1979年の水準にとどまっていたと仮定すると、2012年の米国経済にとって1兆7000億ドル(約170兆円)の損失となっていたはずだという。これは大ざっぱに言って、カナダの国内総生産(GDP)に匹敵する額だ。
働く女性が今より少数にとどまっていた場合、社会はどうなっていたのだろうか。日本を例に取ろう。
日本の女性の教育水準は高いが、さまざまな理由から、働きに出たり、長く仕事を続けたりする女性の数は少ない。働き続けたとしても、ガラスの天井に打ち当たることになる。金融大手ゴールドマン・サックスの試算によると、女性労働者の割合が増えれば、日本の労働人口は800万人以上増大し、GDPも最大で15%押し上げられるという。
急速に高齢化が進み経済が停滞する日本にとって、これは重要な点だ。安倍首相が推進する「アベノミクス」の成長戦略に「ウーマノミクス」が組み込まれているゆえんだろう。安倍首相は、女性が経済分野でも「輝く」ことができるよう支援する方針を打ち出している。
日本だけではない。国際通貨基金(IMF)の調べにあるように、世界のどの地域においても、女性の雇用率上昇によって得られるものは大きい。