世界経済に必要なのは女性 職場進出が成長の鍵
エジプトで男性と同程度に女性が雇用されるようになれば、同国のGDPは34%増大する可能性があるという。米国でさえ、女性の雇用をさらに推進することでGDPを5%伸ばす余地がある。
とはいえ、率直に言うと、女性が働くことで経済的な複雑さが増した側面もある。
経済的には、労働市場における競争が増し、賃金の伸びが頭打ちになる。ブルッキングス研究所の研究者によると、さまざまな理由があるが、米国の全男性労働者をみた場合の実質賃金の中央値は1970年以来、19%低下した。
女性の職場進出には、子育てをめぐる問題もつきまとう。米誌ハーバード・ビジネス・レビューが、子どものために職場を離れた米国人女性を対象に行った調査によれば、このうち93%が職場復帰を希望していた。しかし、復帰に成功した女性は74%、フルタイムの仕事に戻ることができたのは40%に過ぎない。
女性の人生のあり方が一変したのは、歴史的にみても大きな変化だった。だが、法律や慣行の整備には時間がかかる。至る所で取り沙汰されているように、ヒラリー・クリントン氏が2016年の大統領選に勝利すれば、同氏の課題の一つとなるだろう。