ウクライナ、ロシアにガス債務の一部支払い 供給停止回避か
ロンドン(CNNMoney) ロシアがウクライナに供給するガスの代金未払い問題でウクライナ当局は1日までに、滞納金の一部の約7億8600万ドル(約802億円)を支払うことに合意したと発表した。
両国と欧州連合(EU)代表者が過去約1週間続けていたガス問題に関する協議で合意した。ロシアはウクライナによる支払いが滞っていたことから前払い方式も要求し、従わなかった場合、6月1日からの供給停止も警告していた。7億8600万ドルはガス供給の2カ月分に相当する。
ウクライナが滞納金の一部支払いに応じたことでロシアの国営ガス企業ガスプロムによる供給停止の事態は回避される可能性が出てきた。停止となった場合、域内のガス需要の約15%の手当てをウクライナ経由のパイプラインを通じてロシアに頼っていたEU諸国への深刻な影響も懸念されていた。
ロシアのノバク・エネルギー相はウクライナの未納金の一部が2日に届けば、3者協議が再開され、今後4カ月間におけるガス料金の設定問題などを話し合うと述べた。ガスプロムによると、ウクライナによるガス購入の未払い額は計約35億米ドル。
ウクライナ、ロシア両国間のガス債務問題は、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合などを背景に政治問題化する様相も示していた。
ウクライナは今年初め、ロシアへのガス料金支払いにも困る資金不足に陥り、国家財政破綻(はたん)の瀬戸際にも追い込まれていた。しかし、ウクライナの政治危機を受け、国際通貨基金(IMF)や世界銀行、EUや米政府が資金供与を提案。ロシアへの7億8600万ドルの支払いはこの援助資金を充てるとみられる。