英国にポリマー紙幣が登場 偽造しにくく、耐久性も向上
現状の1ポンド硬貨は30年以上にわたって使用されているが、年々巧妙化する偽造技術に対して脆弱(ぜいじゃく)になってきており、現在の流通量の3%、数にして4500万個の硬貨が偽造されたものだという。
英王立造幣局の流通担当ディレクター、アンドリュー・ミルズ氏は、「現在、硬貨に使われている電磁署名は時間がたつと摩耗してしまい、偽造硬貨の判別が難しくなる」と話す。そこで、17年から導入される予定の新1ポンド硬貨には、代わりに「統合セキュリティー識別システム」(ISIS)と呼ばれるテクノロジーが応用される。
ISISは、紙幣に導入されて既に20年が経過したシステムで、一般の利用者や自動販売機のオペレーター、小売り業者や銀行システム運営者など、硬貨の流通に携わるさまざまな人々を偽造の被害から守ることにつながるのではないかと期待されている。
まもなく現金は消えるだろうとの声も多いが、当分、プラスチックの形で現金が残ることになりそうだ。