昇進の鍵は紙とクレヨン? 潜在意識動かす「目的の視覚化」
そこでメーン氏が提案するのは、クレヨンを利用した潜在意識の視覚化だ。目標設定は普通、言語だけに頼っているが、潜在意識の力を活用するには、目標を絵にして描き出す「ゴールマッピング」の手法が重要になってくる。同氏は、「目標を描き出して絵にするのには、2重の効果がある」「脳の分析的な側面と創造的な側面、その両方を動員する効果だ。目標を明確にしつつ、潜在意識に働きかけるという理屈だ」と話す。
もっとも、実際に上司を前にしてクレヨン箱を持ち出し、目標を絵に描いてもらうのは、いささか抵抗があるかもしれない。だが、創造性と分析力を両立させたメーン氏のゴールマッピングの手法は、世界中の企業や学校で現実に取り入れられている。
例えば、英通信大手のブリティッシュテレコムは、新入社員教育や成績評価にゴールマッピングの手法を採用している。また、米マイクロソフトの英国法人では、ゴールマッピングを導入した年、過去最高の業績が上がった。
経営コンサルシングを手掛けるスカラー・エグゼクティブ社の業務執行社員であり、博士号を持つ社会科学者でもあるフランク・ナイルズ氏によると、ゴールマッピングの方法について概要をつかむには、スポーツ選手のイメージトレーニングを想像するとわかりやすいという。成功したアスリートが、パットを沈める場面やシュートを決める瞬間を視覚的にイメージするのに似た感覚だ。視覚的にイメージするのが苦手な場合、目標を実際に絵に描いてみることが助けになる。