米原油価格が5年ぶり60ドル割れ
ニューヨーク(CNNMoney) 国際的な原油価格の指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は11日、ニューヨーク商業取引所で2009年7月以降初めて60ドルを下回った。
これを受けて同日のニューヨーク株式市場は大きく揺れた。ダウ工業株平均はいったん200ドル以上下げたがその後すぐに値を戻した。
原油価格下落が経済に与える影響には2つの側面がある。投資家にとっては頭の痛い問題だ。
ガソリン価格の下落が消費者減税に似た効果を発揮する側面がある。ガソリン安のおかげで、米国では平均して1世帯あたり約500ドルの可処分所得が増加した。その金を貯蓄に回す人もいるだろうが、買い物に使う人も少なからずいるはずで、小売業界、ひいては経済全体に好影響を及ぼす可能性がある。
一方で、エネルギー業界、特にここ数年の米経済の成長を支えてきた天然ガス業界にとって原油安は打撃となり、BPやコノコフィリップといった石油大手は、設備投資計画の縮小や人員削減を発表している。
「明らかに最安値更新の速度は投資家にとって非常に悩ましい。経済や株価の先行きについて不確定な部分が増える」と、MNDパートナーズのティム・アンダーソン常務は述べる。