ロシア国債を「投資不適格」に引き下げ 米S&P
ニューヨーク(CNNMoney) 米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は26日、ロシア国債の格付けを「投資不適格債(ジャンク債)」とされる「ダブルBプラス」へ引き下げた。
機関投資家の内部規定により、投資不適格となった債券が強制的に売却されるケースも多く、ロシアにとって資金調達は今後さらに難しくなる。
同国では主な輸出品となっている原油の価格下落に、ウクライナ問題を巡る欧米からの経済制裁の影響が重なり、景気後退の危機が迫っている。
S&Pは先月、ロシア経済を回復させる選択肢はほとんどないとの見方を示し、同国債を格下げの検討対象にしたと警告していた。
その後も原油価格は下がり続け、事態は悪化の一途をたどった。昨年7月には1バレル=100ドルを超えていた原油は現在、1バレル=45ドル前後で取り引きされている。ロシア政府の今年の予算は、同100ドル以上での取り引きを想定していた。
通貨ルーブルは史上最低記録を更新し、対ドルで40%以上も下落している。ルーブルをドルに交換する市民が急増した結果、ルーブルはさらに急落した。S&Pによれば、同国の今年のインフレ率は10%を超える見通しだ。
ロシア中央銀行は昨年末、ある金融機関を救済するために300億ルーブルの緊急融資を行うと発表した。インフレが深刻化するなか、中銀は今後さらに難しい判断を迫られることになりそうだと、S&Pは指摘している。