25カ国の銀行で1千億円のサイバー被害か、PCにウイルス
ニューヨーク(CNNMoney) インターネットセキュリティー企業のカスペルスキーは15日、世界25カ国で銀行のコンピューターにウイルスが仕込まれ、総額10億ドル(約1200億円)あまりが盗まれていたことが分かったとする報告書を発表した。
それによると、犯罪集団は送金を担当する行員の画面をコンピューターウイルスで監視して詳細な送金手順を把握し、行員の行動に見せかけて自分たちの口座に現金を振り込ませていた。
現金が振り込まれると、近くで待機していた人物が現金自動出入機(ATM)から引き出していたという。
被害に遭ったのは米国を含む25カ国の銀行100行あまりで、1行当たりの被害額は250万~1000万ドル、総額で10億ドルに達する可能性もあるとカスペルスキーは推定。この種のサイバー犯罪としては過去最大級の被害額になると指摘している。
犯罪集団はロシア、ウクライナ、中国、欧州の人物で構成されているという。
米紙ニューヨーク・タイムズによれば、この犯行については業界団体や捜査当局も銀行などに注意を呼びかけていた。