ロシアの貧困層、300万人増 経済制裁や原油価格下落で
ロンドン(CNNMoney) 欧米の経済制裁と原油価格の下落による景気悪化を受けて、ロシアで貧困に陥る世帯が急増している。3月末の時点で、1カ月の生活費が公式の貧困ラインとされる9662ルーブル(約2万円)に満たない層は2300万人に迫り、前年同期より300万人増えた。
オリガ・ゴロジェツ副首相はロシアのテレビ局に対し、危機的な状況になりつつあるとの認識を示している。
ルーブルの暴落に伴いインフレが加速して、今年1~3月期の物価は年率16%上昇。一方で実質賃金は5月に14%減、6月は7%減となった。
ロシアの貧困率はプーチン政権下の15年で着実に改善を続け、2014年には11%まで下がっていたが、再び上昇に転じて16%になった。ウクライナ危機に終息の兆しは見えず、状況の好転は見通せない。欧米の対ロシア制裁は2016年まで延長された。
生活水準の低下で今年に入って小売売上高は毎月落ち込み続け、6月は9.4%下落した。