パリのディズニーランドで「国別料金」適用か EUが調査
ロンドン(CNNMoney) 欧州連合(EU)は、フランスにあるテーマパーク「ディズニーランド・パリ」が、入場者の居住地によって異なる料金を徴収していた疑いで調査を開始した。複数の入場者からの苦情があったという。
例えば英国やドイツからの入場者にはチケット代が高く設定されているのに対し、フランスやベルギーの人は安いといった状況がみられたという。
これはEU域内ならどこにいても同じ価格でモノやサービスを手に入れることができるという「単一市場」の原則に抵触する。
EUの執行機関である欧州委員会はフランス当局と合同で調査を行っており、結果次第ではディズニーランド・パリが摘発される可能性もある。
ディズニーランド・パリはCNNに対し、インターネット販売で国別の価格設定を行っているわけではないと説明した。
同社の広報によれば、価格は各国の休日に合わせて設定されている。つまり、アイルランド人が聖パトリックの祝日にディズニーランド・パリに行こうとすれば繁忙期の高い料金が適用されるし、フランス人なら8月のバカンスシーズンの料金が高くなるということだ。
だが欧州委員会は、他の大手テーマパークは同様の対応を取っていないことから、ディズニーランド側の説明に納得していない。
消費者問題のロビー団体BEUCは当局による調査を歓迎。発表した声明の中で「不公平な価格の違いは単一市場の原則をゆがめ、消費者の選択を制限している。EUの法律の下、消費者は国籍や居住地が理由で差別されることのない基本的権利をもっている」と訴えた。