日本刀 力強い神秘の輝き
クンツ氏によれば、顧客の多くは武士の生活様式や価値観に共感する実業家だ。刀を力と責任感を備えた象徴とみなす、成功した経営者が多い。武士が周囲の人々を養っていたように、経営者も数百人の従業員を抱えているからだ。
鍵となるのは日本刀の耐久性だ。鉄を何度も折り返して強度を高めるという独特の製法により、最小限の手入れで数百年の間、最高の状態を維持できる。父から息子に代々継承されるなど、多くの所有者の手で受け継がれていくことも可能だ。
ユニークジャパンが取り扱っているのは過去の名工の作品だが、現在も数百人の刀匠が現役であり、次世代の刀を生み出している。神戸に拠点に日本刀販売サイト「Jidai」を運営する岡下俊介氏は、古刀の真価を理解するのは難しいとの理由から、現代の刀を取り使っている。顧客の多くは手頃な値段の新品を求める居合道の選手だという。
値段が安いからといって、質が落ちるわけではない。同サイトでは、高名な刀匠だった尾川兼圀氏の息子、尾川光敏氏の作品も取り扱っている。
同サイトは、国際的な販売網を築くことにも成功したが、刀の輸出には困難も伴う。最近では、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」台頭の影響から、危険だとして日本刀の持ち込みを拒否する航空会社も出てきたという。