日本刀 力強い神秘の輝き
欧州の一部やアフリカ、中東などには直接輸送することができないほか、文化庁に申請して、国指定の文化財に該当しないことを証明する必要がある障壁もある。また、検索大手の米グーグルは14年、広告サービス「アドワーズ」で、単語「sword」を含む商品の表示を禁止した。
こうした背景から、中国などで安い刀を扱う業者が台頭している。ただ、当面のところ日本刀のステータスと需要は落ちそうにない。こう語るのは英国人の元空手王者で、現在は刀剣の専門家に転身したポール・マーティン氏だ。日本では全ての刀工が資格取得を義務づけられているほか、長刀の製作は月2本、短刀は月3本までという制限がかかっているため、水準が落ちることは考えにくいと分析。「質にばらつきはあるが、伝統の力は強い」と述べる。
マーティン氏はまた、日本では刀が持つ文化的な意味合いが大きいとも指摘。葬儀に持参したり神社に奉納するため、日本人は刀を買い続けるだろうと予測する。「刀工の技術が途絶えてしまうとの心配もあるが、私はそうは思わない。興味を持った人々がいつでも新たに参入してくる」と述べた。
「武士の魂」は、国内外で信奉者を増やし続けている。