ギリシャ経済、第2四半期GDPでまさかのプラス成長
ロンドン(CNNMoney) ギリシャ当局は13日、今年4~6月の第2四半期の国内総生産(GDP)が0.8%増のプラス成長だったことを発表した。関係者の多くに驚きが広がっている。
データは現時点での速報値だが、GDPが縮小に向かうと予想していた多くのアナリストに衝撃を与えた。
ただ、これはギリシャが銀行を閉鎖し預金引き出しを制限する前のデータであり、注意が必要だ。銀行とアテネ株式市場は再開したものの、まだ一部の制限が残っている。
第2四半期、ギリシャの物価は2%低下する一方、小売売上高は増大。ギリシャ国民が銀行から預金を引き上げ、商品の買いだめに走る中、消費の増大が予想外のプラス成長を部分的に後押しした可能性がある。
アナリストはプラス成長が続く見込みは少ないとして、警鐘を鳴らす。金融危機はギリシャ経済に大きな打撃を与え、6月には製造業が史上最低の水準まで落ち込んだ。アクセンド・マーケッツのアナリスト、マイク・バンダルケン氏は「今回の支援案の文書では依然、2015年のGDPは2.3%、16年は1.3%それぞれ縮小すると予想されていることを忘れてはいけない。経済の回復に向け、痛みを伴う緊縮財政策が一段と必要とされている状況だ」と述べる。
ギリシャと債権団は11日、第3次金融支援案の条件について協議を完了。ギリシャ議会は現地時間13日にも、この金融支援案の賛否を問う採決を行う予定だ。
合意した支援額は最大860億ユーロ(約11兆9000億円)。まだユーロ圏の指導者らの承認が必要だが、数日以内に完了するとみられる。支援額の大半は銀行の立て直しに使われる見込みだ。