中国、海外旅行客の元引き出し額に上限 資本流出阻止で
香港(CNNMoney) 中国政府は1日までに、中国国民が海外旅行先の現金自動出入機(ATM)などで引き出せる現金の限度額を今年の年内いっぱい年間5万元(約95万円)に制限する方針を示した。
歯止めが利かなくなっている国内からの資金流出を阻止するのが狙い。来年からは年間10万元を上限とする。
引き出し額の上限設定は中国本土で発行されている「銀聯(ぎんれん)カード」の保持者が対象。同カードの持ち主には1日当たり1万元の上限が既に設定されている。
銀聯カードは、中国で独占状態に近い市場シェアを握っており、今回の規制の対象者は大規模な数になるとみられる。
中国で個人の旅行客が国内から持ち出せる現金は年間で5万米ドル(約600万円)となっている。しかし、海外への資金流出は止まっておらず、金融グループのUBSによるとその額は今年上半期で約2190億ドルに達した。
中国では先に急激な株安や突じょの元切り下げが起き、景気減速への懸念が続いており、政府は投資家の信用回復に腐心している。