ロシアが歳出1割削減を検討 原油価格下落で
ロンドン(CNNMoney) 原油価格の下落が続くなか、ロシアのシルアノフ財務相は14日までに、各省庁に対し「新たな経済状況に対応するべき」時が来たと述べ、さらなる歳出削減案を検討するよう求めた。政府全体で10%の削減を目指す方針。
原油価格が1バレルあたり30ドルの水準まで下落したことで、ロシアでは景気のさらなる後退の恐れが出ているほか、ルーブル安が進んでいる。13日の外為市場では1ドル=76ルーブルと、原油価格が下落を始めた2014年後半に記録した最安値に迫った。
長年にわたる経済政策の失敗により、ロシア政府の財政は原油価格の下落の悪影響を受けやすくなっている。1バレル=100ドルを超えていた原油価格がわずか1年半で約3分の1まで急落。歳入の半分を原油や天然ガスの輸出に頼っている同政府は、財政上の大きな圧力にさらされている。
ロシア政府は昨年すでに、10%の歳出削減を行っている。プーチン大統領の給与も10%カットされた。
シルアノフ財務相によれば、財政を均衡させるには、原油相場は1バレル=82ドルである必要がある。2016年度予算は1バレル=50ドルを想定し、財政赤字はプーチン大統領が許容できる最大幅とした3%に収まる予定だった。だが、1バレル=30ドルの現状を前に歳出削減は避けられない。
ロシア経済は昨年4%のマイナス成長を記録。国際通貨基金(IMF)は今年も1%のマイナス成長になると予測している。