元強制収容所が高級リゾートに モンテネグロ
オラスコムの代理店も、マムラ島のリノベーションは風景や既存の建築、島の持つ歴史的な価値を尊重して行われると述べた。
一方、元収容者の家族らは今回の計画に怒りをあらわにしている。
祖父と父、おじがマムラ島に収容されていたというオリベラ・ドクレスチッチ氏は「多数の人が苦しみ死亡したこの場所に娯楽目的の高級ホテルを建てるのは、あからさまな歴史の軽視だ」「強制収容所がホテルとして再開発されるのは世界的にも例がない」と話す。
ニュースサイトのバルカン・インサイドによると、モンテネグロ政府は、同プロジェクトにより地域経済が活性化するとして今回の決定を擁護。計画には「記念室か博物館」も含まれる予定のため、マムラ島の歴史にも敬意が払われるはずだとしている。
同島の要塞をめぐる論争が始まったのは2013年12月。モンテネグロ政府が「裕福な顧客のニーズと要求を満たす」投資案件として同島を宣伝したことに端を発している。これに対しては国連の故ブトロス・ガリ元事務総長も一時批判を寄せていたが、オラスコム代理店によると、その後博物館も含む案に支持を示すようになったという。