「全国民に27万円の月収保証」案、国民投票で否決 スイス
ロンドン(CNNMoney) スイスで5日、就労状況や資産額を問わず、全国民に税引き後2500スイスフラン(約27万円)の最低月収を保証する社会福祉制度の是非を問う国民投票が行われ、反対多数で否決された。
反対票は約77%に上り、全26州で反対派が10ポイント以上の差を付けて賛成派を上回った。
改革案では、月収が最低賃金に満たない場合は差額分を、失業者には全額を無条件で支給して、各種の福祉給付の代替にするとしていた。
同制度は、2013年に実現を求める嘆願が10万人を超す署名を集めたことから国民投票が実施されることになった。
これに対してスイス政府は、この制度が実施されれば年間250億スイスフランの予算が必要になり、増税や歳出削減を招いて経済に打撃を与えかねないとして反対を表明。議会なども「働こうと思う人が減る」と懸念を示していた。
フィンランドでもすべての社会福祉を廃止して、国民全員に年間1万ドル(約106万円)を支給する制度の導入を検討している。来年初めから試験的に、約1万人を対象に月額550ユーロ(約6万6500円)を2年間にわたって支給する制度が実施される。