イランの原油輸出量、15年11月から3倍に 制裁解除で
イランのザンギャネ石油相は最近、原油生産量は1日当たり380万バレルを超えたと主張。イラクと国境を接する南西部の油井の生産量がほぼ3倍になったことも明かしていた。しかし、これほどの増産ペースは停滞期に早急に直面する可能性にもつながる。この課題を克服するには老朽化した油田や関連施設を更新するために欧米企業の豊富な経験と技術力が必要となる。
イラン政府は、2021年の原油生産量は日量480万バレルとの目標数字も設けている。このため新たな原油開発関連契約の指針に基づき少なくとも700億米ドル(約7兆2800億円)規模の新規投資を呼び込むことを期待している。
しかし、IEAは最良のシナリオが実現したとしても生産量は410万バレルと予測し、経済制裁が再び発動されず、相当な規模の外資と技術が集まる場合との前提条件も付けている。
イラン政府が新たな原油関連取引の詳細の明示に手間取っているため欧米のエネルギー関連企業の間で不満が高まっているとの情報もある。イラン側の足踏みの背景には「国内対立」があるともされ、ハリバートンなど米系企業との契約締結は油田施設サービス関連の職種を押さえる革命防衛隊隊員の利権を脅かすとの見方も出ている。イランが望む外資が集まるかどうかは新たな取引指針の内容次第との指摘もある。