イランの原油輸出量、15年11月から3倍に 制裁解除で
ニューヨーク(CNNMoney) 国際エネルギー機関(IEA)は18日までに、イランの今年5月の原油生産量は日量約364万バレルと2011年6月以降では最速の増産ペースになっていることを明らかにした。
核開発問題に起因する欧米諸国の対イラン経済制裁が今年1月に解除されたことを受けた結果となっている。
イランの原油生産量は昨年末以降、日量73万バレル増えた計算となる。この増量幅は石油輸出国機構(OPEC)加盟国の中では最多となっている。
海外輸出も拡大しており、市場調査企業クリッパー・データによると、今年5月の海上輸送に限れば日量約260万バレルを記録。昨年11月比ではほぼ3倍の水準となった。この輸出攻勢は増産分と陸上の備蓄分の吐き出しに支えられている。
ただ、市場調査企業JBCエネルギーの上位コンサルタントは原油生産や販売に関するイランのこの勢いが今後も維持されたり、さらに強まったりするのかなどの見極めは難しいと指摘した。
クリッパー・データによると、イラン原油の3分の1は中国向けとなっている。中国は原油価格の低迷を利用し備蓄分を増やしているとみられる。この他の主要輸出先はインド、韓国に日本となっている。