英「EU離脱」、世界金融に動揺広がる
香港(CNNMoney) 英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決定したことを受け、金融市場に危機感が広がっている。離脱派の優勢が伝えられた開票作業の序盤からポンド相場は急落。ユーロも大きく値下がりし、安全資産として買われた日本円はドルに対し急激に値上がりした。
23日に実施された英国の国民投票は、382ある投票地区のすべてで開票作業が終了し、離脱派が51.9%の票を獲得して勝利した。この結果に伴い、ポンドはドルに対しほぼ30年ぶりとなる11%超の下落を記録した。
ロンドンの株式先物相場は8%前後下落。米国でも先物市場が大きく値下がりした。
離脱に伴う経済の混乱への懸念からアジアの株価も軒並み急落。日経平均株価は7.9%、香港ハンセン株価指数は4.3%それぞれ値下がりした。
香港の市場では英国の銀行の株価急落が特に激しく、HSBCとスタンダード・チャータードがともに約10%下げた。
英政府の当局者を務めた経歴を持つエコノミストのビッキー・プライス氏は「市場はこの数日間、英国のEU残留を想定していた。しかしふたを開けてみれば、開票の序盤から逆の結果が出てしまった」と述べた。
EU残留を支持するグループは、世界最大の地域貿易圏からの離脱が実現すれば、国内経済に取り返しのつかない打撃を与えると警鐘を鳴らしていた。