トランプ氏と「敵対」のNYT紙、大統領選後に読者急増
ロサンゼルス(CNNMoney) 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は1日までに、同紙の有料購読者や課金制のデジタルニュースの契約者が米大統領選終了後の1週間内で4万1千人増えたと発表した。
デジタルニュースの有料制を開始した2011年以降では最大の伸び率としている。米大統領選でのドナルド・トランプ氏の当選とこれを懸念する多くの米国人が背景要因とも指摘されている。近年、広告収入減と人員削減に追われる厳しい経営環境に直面していた同紙にとっては吉報となっている。
同紙はトランプ氏に批判的で、同氏も選挙戦中や当選を決めた後も再三タイムズ紙の記事などに非難を加えていた。最近も同紙の「馬鹿者たち」はその編集方針のため数千人の購読者を失っていると主張していた。
タイムズ紙の編集幹部はCNNMoneyの取材に、購読者の増加は精力的な取材活動や記事の展開、特ダネの成果と強調。大統領選の選挙戦が虚偽のニュースにあふれた中で、真のニュースを追い求めた結果を反映していると述べた。
同紙などによると、今秋におけるデジタルニュースの新規契約者は10万人を超えた。11月8~10日の期間内でウェブサイトへの接続件数は新記録を達成したという。
ただ、デジタル部門の読者増加や広告増が紙部門の広告収入減を相殺していない苦しい事情もある。同紙は先月、紙部門の広告収益が19%減少し、全体的な広告収入は8%縮小したことを報告していた。