世界の災害被害額、昨年は20兆円 過去4年で最大
ロンドン(CNNMoney) 再保険業務の世界大手であるドイツのミュンヘン再保険は5日までに、2016年に世界各地で発生した自然災害による被害額は1750億米ドル(現在のレートで約20兆円)に達し、過去4年では最高額を記録したと報告した。
この被害額のうち保険対象になっていたのは30%の500億ドル相当だった。災害に巻き込まれた犠牲者数は8700人で、2015年の2万5400人からは減少した。
甚大な災害はアジアで目立ち、大規模地震が2度起きた日本では総額310億ドル、中国では昨夏の洪水で200億ドルの被害が出た。北米や中南米ではハリケーン「マシュー」の襲来を受け、住民数百人規模が死亡したハイチの100億ドルが最悪だった。
ただ、北米大陸で発生した災害件数は160件で、1980年以降では最多となった。
同社の災害リスク調査部門の責任者は、昨年の数字を踏まえ、依然進行し続ける気候変動が要因になっている可能性に言及。豪雨や激しいひょうなどを招く気象条件が今後も気候変動の影響で一定の地域で発生しかねない兆候が見られるとも指摘した。