フォード、CEO交代か 後任に自動運転車部門幹部と米報道
香港(CNNMoney) 米自動車大手フォード・モーターが最高経営責任者(CEO)の交代を検討していることが22日までに分かった。米紙ニューヨーク・タイムズなどが情報筋の話として伝えた。業績や株価の低迷に悩む同社に対しては、投資家からの圧力が強まっている。
現在のマーク・フィールズCEOは就任から3年足らず。ニューヨーク・タイムズ、AP通信、フォーブス誌によれば、フォードは自動運転車の開発部門を統括するジム・ハケット氏をフィールズCEOの後釜に据える見通しだという。
情報筋は特定されていない。フォードにコメントを求めたところ「臆測やうわさ」にはコメントしないとの答えが返ってきた。
56歳のフィールズCEOはフォードに28年近く勤務。2014年にアラン・ムラーリー氏からCEO職を引き継いだ。同氏はライバルである米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラー・グループ(当時)が経営破綻(はたん)に追い込まれる中、フォードの業績を回復させた立役者として高い評価を得ている。
フィールズ氏もまた、自動車業界の新たな課題に向けての取り組みを続けてきた。先月には次世代の電気自動車(EV)や自動運転車の開発に充てるため年間30億ドルのコストカットを実施する計画を発表。さらに先週はホワイトカラーの従業員10%ほどに相当する1400人の雇用を削減する方針を明らかにした。
しかし同氏のCEO就任後、フォードの株価は40%近く下落している。
後任と目されるハケット氏はオフィス用家具のメーカー、スチールケースでCEOを務めた経歴を持つ。フォードのウェブサイトに掲載されたプロフィルによれば、同氏の貢献によりスチールケースは「伝統的なメーカーから業界を革新する存在」へと変貌を遂げたという。