外国人の米不動産購入、49%増と過去最高 17兆円規模
ロンドン(CNNMoney) 外国人の買い手や最近の移民が2017年3月までの1年間で米国の物件に支出した金額は1530億ドル(約17兆円)だったことが分かった。前年比49%の増加で、記録を取り始めた2009年以降で最高の水準だという。不動産関連の業界団体「全米リアルター協会(NAR)」の報告書で明らかになった。
購入額は、中古住宅販売全体の10%に相当するという。この調査には新築の購入は含まれていない。
外国人による購入が急増した背景には、カナダ人の存在がありそうだ。カナダ人投資家による米不動産購入は、米国での不動産が比較的値ごろ感があったことなどから、当該の期間に約2倍となった。トロントやバンクーバーといった都市では価格が急騰し、多くのカナダ人が市場から締め出されている。
カナダ人の投資額は190億ドルで、中国人の約320億ドルに続いて2番目。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は、国内外の政治的あるいは経済的な不確実性があっても、外国人は米不動産の購入を思いとどまらなかったようだと指摘。ドル高であり、住宅価格が堅調に伸びていることから、多くの地域で住宅の購入はより高額となっているが、外国の人々はだんだんと、米国が居住や就業、投資先として安全な場所だと確信して行動しているようだとの見方を示す。
外国人による不動産購入は、フロリダ、カリフォルニア、テキサスの3州で約半分を占めた。
フロリダ州での購入が多かったのはカナダ人。中国人はカリフォルニア州、メキシコ人はテキサス州での購入が多かった。