預け入れ荷物へのノートPC禁止を勧告、火災発生を懸念
ニューヨーク(CNNMoney) 国連専門機関「国際民間航空機関(ICAO)」の危険物対策委員会は21日までに、火災発生の恐れがあるとしてノートパソコンを航空機の預け入れ荷物にすることを禁じる提案を行った。
ICAOはこれを受け今月中の会合で検討する方針。ただ、勧告を認めたとしても措置に応じるかどうかは加盟国の関係当局の判断次第となる。
同委は報告書の中で、過熱した同コンピューターのバッテリーが貨物室内で相当規模の火災につながり、消火出来ない恐れがあると指摘。結果的に機体の損失を招く可能性があるとした。
米連邦航空局(FAA)は今回の提案に対するコメントを発表していない。ただ、FAA関係者は同委員会に加わっており、火災発生の危険性の確認についてはFAAの調査結果も材料となっている。
FAAの調査報告書ではノートパソコンが預託荷物に入れられている頻度は低いとも指摘。大半の乗客は機内持ち込みを選び、問題が発生しても迅速に把握し、火事が広がる前に消し止められるとした。
リチウムバッテリーの出火の危険性への懸念は新しいものではなく、関連の研究も数年前から始まっている。米航空会社は2015年、火災発生の恐れを理由にリチウムバッテリー利用の乗り物の1種である「ホバーボード」の搭載を断った。
米国土安全保障省は今年、ノートパソコンを悪用したテロ発生を懸念し一部の国際空港を出発する旅客機客室内への持ち込みを禁じた。