英女王の個人資産、租税回避地に15億円投資
ロンドン(CNNMoney) 英エリザベス女王の個人資産が王室公領を通じてタックスヘイブン(租税回避地)のファンドに投資されていた実態が、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の報道に基づく「パラダイス文書」で明らかになった。
英BBCがパラダイス文書に記載された内容として伝えたところでは、女王の収入源であるランカスター公領は、英領ケイマン諸島とバミューダのファンドに1000万ポンド(約15億円)を投資していたとされる。CNNでは同文書の内容を確認していない。
エリザベス女王本人は不正行為に関与していないとされているものの、タックスヘイブンへの投資が明るみに出たことで、王室の体面が損なわれる可能性もある。
ランカスター公領は声明を発表し、「我々は数多くの投資を行っており、その中の少数が海外のファンドだ。投資はすべて完全な監査を受け、合法的に行われている」と強調。女王は英国の税法の適用を除外されているが、公領からの収入については「自発的に税金を納めている」と説明した。
ランカスター公領のウェブサイトによると、同公領は直近の会計年度で1920万ポンドの純利益を計上していた。
ICIJは、「オフショア企業やトラストについては正規の利用が存在する」と指摘し、名前が登場する人物や企業が違法行為や不適切行為を行っていることを示すものではないとしている。
パラダイス文書は、有名人や企業経営者のタックスヘイブン利用の実態を暴露した2016年の「パナマ文書」と同様のプロジェクト。今回は1950~2016年にかけての文書1340万件あまりに基づき、多国籍企業や著名人のタックスヘイブン利用実態を明るみに出した。