世界の災害被害、60%増の35兆円 ハリケーンや山火事で
ロンドン(CNNMoney) スイスの国際的な再保険企業「スイス・リー」は24日までに、自然災害や人災による被害額は今年これまで、前年比で60%増以上となる約3060億米ドル(約35兆円)に達したと発表した。2016年は1880億ドルだった。
カリブ海諸国や米国を今夏襲い、甚大な被害を出した一連のハリケーンが主因。この他、今なお続く米カリフォルニア州の山林火災やメキシコで2度起きた大規模地震も被害額急増の要因となっている。メキシコの地震による保険対象の被害額は20億ドル以上。
スイス・リーによると、これら災害による犠牲者数は今年これまでで約1万1000人。昨年とほぼ同一水準となっている。
ハリケーン「ハービー」はテキサス州ヒューストンなどに深刻な洪水被害を発生させ、同「マリア」は米自治領プエルトリコに大規模な停電などをもたらした。この他、同「イルマ」も襲来した。
これら3つのハリケーンによる被害は米国が最も大きく、スイス・リーによると保険対象の損害額は総額で約930億ドル。ハリケーンシーズンでの損害額としては「カトリーナ」「リタ」「ウィルマ」の各ハリケーンが襲った2005年以来、2番目の高額水準としている。