EU、米関税に報復検討 ハーレーやバーボン、リーバイス対象
ロンドン(CNNMoney) トランプ米大統領が鉄鋼やアルミの輸入品に追加関税を課す方針を示したことを受け、欧州連合(EU)は2日、対抗策としてハーレーダビッドソンのバイクやバーボンウイスキー、リーバイスのジーンズなどに関税をかける用意があると明らかにした。
欧州委員会の報道官がCNNに明かしたところによれば、ユンケル欧州委員長はこうした製品を、EUが準備中の「対抗措置」の対象に選定したという。EUは先に、早急かつ断固とした相応の対抗策を取ると表明していた。
ハーレーダビッドソンは欧州委員会の今回の決定に関するコメントを避けたが、リーバイスは声明を出し、自由貿易への支持を表明した。
トランプ氏は1日、輸入品の鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す方針を表明。この動きに対しては、米国の主要同盟国や貿易相手国から強い批判が出ている。
また、米政権が関税賦課の理由として安全保障上の懸念を挙げたことも激しい批判を招いた。ドイツのガブリエル外相は、米政権の判断は「理解不能」だとし、「EUは米国による懲罰的な関税に対し断固とした対応を取る必要がある」などと述べた。
欧州委員会の報道官は記者団に、EU28カ国は米政権の関税に対し単一経済圏として対応すると明らかにした。同委員会は7日に対応を協議する見通し。
EUはまた、鉄鋼輸入が急激に増大した場合、「緊急輸入制限(セーフガード)措置」を導入する可能性もある。こうした措置には関税賦課や輸入割り当ての導入が含まれる見込みで、早急に実施できるという。