中国で「アフリカ豚コレラ」流行 数万頭を処分、感染拡大続く
香港(CNNMoney) 中国の養豚場で「アフリカ豚コレラ」の感染が拡大している。中国国営メディアによると、8月初旬以来、複数箇所で感染が確認され、3万8000頭以上の豚が殺処分された。
アフリカ豚コレラは人にとっての害はないが、豚の致死率は極めて高い。中国の養豚業を揺るがす恐れもあり、ただでさえ減速気味の景気への影響も懸念される。
国連食糧農業機関(FAO)によると、中国は世界で筆頭の豚肉消費・生産国。世界の供給量の約半分を中国産が占めている。
中国農務省の統計によると、アフリカ豚コレラの流行が伝えられて以来、食肉価格は7%以上高騰した。
投資銀行ラボバンクのアナリストは、もしこのまま中国国内のウイルス感染が報告され続ければ、豚肉はさらに値上がりすると予想。「事態は悪化している」と述べ、向こう数カ月のうちに供給不足に陥るかもしれないと予想した。
感染は拡大し続けている。最初の感染は北朝鮮との国境に近い遼寧省で報告され、最近では江蘇省でも報告された。
当局は流行が確認された地域で豚の市場を閉鎖し、生きた豚を別の地域へ輸送することを禁止した。
ウイルスが沿岸部から、養豚農家の集中する中部へと広がる事態も懸念され、そうなれば養豚業と中国経済への打撃がさらに深刻化する恐れもある。