米貿易赤字、10年ぶり高水準 トランプ政権下でも拡大
ワシントン(CNN) 2018年の米国の貿易赤字が10年ぶりの高水準を記録したことが6日わかった。米国勢調査局が統計を発表した。前年比で約690億ドル(約7兆7000億円)赤字が拡大した。
トランプ大統領は、米国の製造業の活性化や輸入品への依存を抑制しようとしている。しかし、統計によれば、トランプ氏が大統領に就任して以降、貿易赤字は1000億ドル以上拡大している。
これは、就任から2年になるトランプ大統領が「米国第一」を掲げているものの、米国が輸入するモノやサービスが輸出を上回っていることを意味している。
トランプ大統領は、中国製品に対して2500億ドル規模の関税を課したほか、外国産の鉄鋼やアルミニウム、太陽光パネルなどにも関税を課す措置を取っている。こうすることで、米国製品のほうが輸入品よりも安くなることを目指している。
課税措置の多くは昨年後半に実施されたが、追加関税前の駆け込みの輸入や、強い米ドル、堅調な米経済などの影響により、貿易赤字は拡大した。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、ラッセル・プライス氏は「18年全体でみれば、貿易政策は貿易赤字について劇的な効果を与えることはなかった」との見方を示した。