EU、新車に速度制限装置の搭載義務付け 22年から
ロンドン(CNN Business) 欧州連合(EU)は28日までに、域内で2022年から販売される全ての新車に速度の抑制装置の搭載を義務付ける規則に合意した。
「インテリジェント・スピード・アシスタンス」装置を標準装備品として備え付けるよう命じている。この装置は速度が過剰に速くなった場合、自動的なブレーキ作動が起きるわけではない。運転手が装置を解除しなければエンジン出力を制限し、制限速度内の走行を保つ仕組みとなっている。
今回示された規則では、装置の特定の技術を義務付けてはいない。一部の自動車メーカーは全地球測位システム(GPS)やカメラを利用し、最高速度の到達の探知や速度制限を順守させる技術を既に開発している。
今回の規則の発効には各加盟国と欧州議会の承認が必要。
EUの行政執行機関、欧州委員会のエルジュビエタ・ビエンコフスカ委員(域内市場・産業担当)は、新たな規則を義務付けることでシートベルトが最初に導入された際と類似の影響力を期待出来るとした。
新たな規則はまた、衝突時のデータ記録装置や車体後方の監視カメラの搭載も命じている。
安全確保の提唱者らは新規則を歓迎しているが、運転手の自己満足を誘い道路状況の注視が弱まるなどの懸念も出ている。欧州自動車製造業者協会も昨年、多くのインフラ関連問題が今回の規則の広範な導入を妨げるとの危惧を表明。欧州域内での道路標識は標準化されておらず制限速度の超過の探知は困難とし、デジタル地図は多くの道路の制限速度の表示に欠けているとも指摘していた。