米ホテルチェーン、13億円支払いで和解 宿泊客リストをICEに提供
(CNN) 宿泊客のリストを米移民税関捜査局(ICE)に渡していたとして訴えられた米ホテルチェーンについて、ワシントン州の検事当局は8日までに、同社が1200万ドル(約13億円)を支払って和解する見通しであることを明らかにした。
検事当局によると訴訟を起こされたホテルチェーン、モーテル6は2015年から17年まで、ワシントン州の7カ所のホテルで宿泊客約8万人の個人情報をICEと共有していた。情報の公開に当たり、令状の請求は行われていなかったという。
リストにはホテルの全宿泊客の情報が記載されており、プライバシーが守られるとの期待に背いた形だ。検事当局は声明で、リストの公開により「ICEは中南米系の氏名を持つ多くの宿泊客を標的に調査を行った」と説明。「結果は極めて有害で、多くの宿泊客が拘束、強制送還された。その家族らも苦しむことになった」と述べた。
検事当局によれば和解金として支払われる1200万ドルは、情報が公開された宿泊客らの金銭的な損失の補填(ほてん)に充てられる。
モーテル6の広報担当者は和解に合意したことを確認。個人情報保護方針を守って裁判所の令状などが出ない限りは宿泊客の個人情報の共有を禁止する意向を示した。
同社は18年1月にも、アリゾナ州で営業する2軒のホテルが宿泊客の情報を移民当局に提供したとして提訴されている。