米国境で拘束のグアテマラ少年に薬物投与や暴行か 父親が提訴
(CNN) 米南部国境で中米グアテマラからの不法入国者として拘束された10歳の少年が、収容先の施設で向精神薬を投与されたり性的暴行を受けたりしたとして、父親が施設の運営団体を相手取り、損害賠償を求める訴えを起こしていることが27日までに分かった。
少年は昨年2月、国境で父親と引き離されて、アリゾナ州の保護施設に収容された。その後さらにテキサス州の施設へ移送され、合わせて1年近く拘束された。
テキサス州の裁判所に先週提出された訴状によると、少年は両施設で職員から暴行を受けた。テキサス州の施設では保護者の同意なしで強力な向精神薬を投与されたうえ、収容されていた別の未成年者から性的暴行を加えられたという。
父子とも昨年、国外退去となったが、拘束中の精神的苦痛や医療費に対する損害賠償を求めている。
米当局が拘束した同伴者のいない子どもの不法入国者を収容する施設は、国内17州に計100カ所以上設置されている。
訴えられたアリゾナ、テキサス両州の施設や米保健福祉省から、この件についての具体的なコメントは得られなかった。
テキサス州の施設は昨年7月、子どもに向精神薬を投与する際、保護者から書面で同意を得るよう指導を受けていた。
原告側は、施設側が政府から収容人員に応じた金額を受け取っているため、少年の拘束を不当に長引かせていたと主張。ところが少年が性的暴行を受けたため、責任を問われるとの懸念から急いで退去させたと訴えている。